「月々2万円台から」という提示は、いくら借りて、何年かけて、いくら金利を上乗せして払う数字なのか。回数・頭金・金利という3つの変数を全院分そろえて並べ、総支払額まで試算しました。
- 植毛の医療ローンは「回数・頭金・金利」の3変数で決まる。院ごとの条件差はこの3つに集約され、同じ施術内容でも月額が2倍以上ひらく
- 公式サイトが見せるのは月額だけ。しかし本当に見るべきは総支払額(元本+金利)。149万円を84回・年率5%で組むと、総支払は約176.9万円(金利分 約27.9万円)
- 回数を伸ばすと月額は下がるが、総支払額は増える。149万円・年率5%なら60回で総額168.7万円、120回で総額189.7万円。差は約21万円
- 親和クリニックは頭金20万円必須・最大60回、アイランドタワーは頭金不要・最大120回。この条件差だけで、月々の負担は倍近く動く
3つ選ぶだけで、主要7院の総額と月々の支払額が出ます
なぜ「医療ローンの横比較表」は業界に存在しないのか
費用相場、術式の違い、クリニックの選び方——自毛植毛の記事は数え切れないほどあります。 ところが、「医療ローンの条件を全院そろえて並べた表」だけは、筆者が調べたかぎりどこにも存在しませんでした。 理由は2つあると考えています。 1つは、この表を作るとクリニックにとって都合が悪いから。 分割回数と頭金の条件は、そのまま「毎月いくら払うか」に直結します。 もう1つは、手間がかかるからです。 金利は信販会社と契約者の属性で変わるため、「年率◯%」と言い切れません。 だから多くのメディアは「金利は年率3〜10%程度」と書いて終わりにします。 しかし、それでは何も分かりません。 変数が確定しないなら、条件を固定して試算すればいい。 この記事では、公式サイトに掲載されている分割回数・頭金の条件をそのまま並べたうえで、金利を年率3%・5%・7%・10%と振ってシミュレーションし、月額と総支払額の両方を提示します。 なお本記事は、特定の信販会社や金融商品を推奨するものではありません。
保険適用や医療費控除の扱いについては、植毛は保険適用される?医療費控除は使えるのかで、クリニック間で見解が割れている点まで含めて検証しています。
植毛の医療ローンは「回数・頭金・金利」の3変数で決まる
医療ローンの話は複雑に見えますが、月額を決めている変数は3つしかありません。 分割回数、頭金、金利。 この3つと借入元本(=施術の総額から頭金を引いた額)が決まれば、月々の支払額も総支払額も計算できます。 図で構造を見てください。
① 頭金:借入元本そのものを動かす
頭金を入れれば借入元本が減るので、月額も総支払額も下がります。 ただし、頭金は「必須」の院と「不要」の院があるという点が見落とされがちです。 親和クリニックは公式サイトで頭金20万円が必要と案内しています。 契約するには、その場で現金20万円を用意しなければなりません。 一方、アイランドタワー、湘南美容クリニック、東京植毛クリニックは頭金不要です。 「手元に現金がないから分割にしたい」という人にとって、この差は決定的です。
② 分割回数:月額と総支払額が逆に動く
ここが最も誤解される変数です。 回数を伸ばせば月額は下がります。 しかし同時に、総支払額は増えます。 借りている期間が長い分、金利が積み上がるからです。 「120回まで組めるから安心」という説明は、月額だけを見れば正しく、総額を見ると逆です。
③ 金利:公式サイトに書かれていない変数
3つの変数のうち、金利だけは公式サイトに明記されていないことがほとんどです。 医療ローンの金利は一般に年率3〜10%程度とされています。 信販会社の商品性と、契約者本人の審査結果で決まるため、クリニック側が確定的な数字を出せない構造だからです。 だからこそ、「自分に何%が適用されるのか」を契約前に必ず確認する必要があります。 金利が3%か10%かで、149万円・84回なら総支払額は約42万円変わります。 これは、モニター割引の10〜20%OFFに匹敵するインパクトです。
東京植毛クリニックでは、LINEで写真を送るだけで、必要な株数の目安と概算見積りを無料で確認できます。いきなり来院や手術を予約する必要はありません。その場で契約する必要もありません。まず数字を持ち帰ってください。
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※自毛植毛は公的医療保険が適用されない自由診療です。費用・術式・リスク(ショックロス、腫れ・痛み、採取部の瘢痕、毛嚢炎、感覚鈍麻など)については、必ず医師から直接説明を受けてください。効果には個人差があります。料金は2026年7月時点の公式サイト掲載額です。契約はその場で決めず、見積書を持ち帰って比較することをおすすめします。
全院横比較表:回数・頭金・月額の条件を並べる
各院の公式サイトに掲載されている医療ローンの条件を並べます。 この表は優劣の順位づけではありません。 条件が違うだけであり、どの条件が有利かはその人の手元資金と返済計画によって逆転します。 「頭金20万円を今すぐ出せる人」にとって、頭金必須はデメリットではありません。 「1円も出せない人」にとっては、致命的な壁になります。
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| クリニック | 分割回数 | 頭金 | 公式の月額表示 |
|---|---|---|---|
| アイランドタワー クリニック | 最大120回 | 不要 | — |
| 湘南美容 クリニック | 3〜84回 | 不要 | 月々3,000円〜 |
| 東京植毛 クリニック | 最大84回 | 不要 | 月々23,900円〜 ※植え放題149万円 |
| 親和クリニック | 最大60回 | 20万円必須 | — |
※2026年7月時点、各院公式サイト掲載情報にもとづきます。金利は各院とも明示されておらず、一般に年率3〜10%程度とされます。実際の適用金利・審査結果は信販会社および契約者の属性により異なります。上記以外の院についても医療ローンの取り扱いはありますが、回数・頭金の条件を公式に明示している院に限って掲載しています。
② 頭金の要否が違う。親和クリニックだけが20万円必須で、他は不要。
③ 月額表示の基準額が違う。「月々3,000円〜」は最小の施術を最長回数で組んだ場合の下限値であり、実際の植毛費用とは結びついていない。
3つ目のポイントが、実はいちばん重要です。 「月々3,000円〜」という表示は、嘘ではありません。 ただし、この数字が意味するのは「安い施術を最長回数で組んだ場合の理論上の下限」です。 自毛植毛の総額は主要9院の自毛植毛の費用相場でまとめたとおり、36万円から300万円超まで幅があります。 100万円を超える施術で月々3,000円になることはありません。 月額表示は、「いくら借りるか」を決めない限り、何の情報も持ちません。 だから次のセクションで、借入額を固定して計算します。
149万円を84回・年率5%で組むと、総支払いはいくらか
ここからが、この記事の核心です。 条件を固定します。 借入元本:149万円分割回数:84回(7年)返済方式:元利均等 149万円という額は、東京植毛クリニックの植え放題プラン(基本治療費22万円+定額127万円)の総額です。 「刈らずに大量に植える」条件で総額が低いプランであり、医療ローンを組む人の典型的な借入額に近いため、基準として使います。 この149万円に年率3%・5%・7%・10%を当てはめて、月額と総支払額を計算しました。
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| 年率(試算) | 月々の支払額 | 総支払額 | 金利分 |
|---|---|---|---|
| 3% | 約19,690円 | 約165.4万円 | 約16.4万円 |
| 5% | 約21,060円 | 約176.9万円 | 約27.9万円 |
| 7% | 約22,490円 | 約188.9万円 | 約39.9万円 |
| 10% | 約24,740円 | 約207.8万円 | 約58.8万円 |
※借入元本1,490,000円・84回・元利均等返済・頭金0円として本記事が独自に試算した参考値です(円未満は四捨五入)。実際の金利、返済方式、事務手数料の有無は信販会社および審査結果により異なります。契約前に必ず信販会社が発行する書面で総支払額をご確認ください。
そうではなく、「この条件で組んだ場合の総支払額はいくらですか。金利分はいくらですか」と聞いてください。信販会社の契約書面には総支払額が必ず記載されます。契約前に、その数字を自分の目で見てください。
「月々2万円台」という提示に隠れているもの
東京植毛クリニックは公式サイトで「最大84回・月々23,900円〜」と案内しています。 この数字自体は正確です。 149万円を84回で組み、金利が年率9%前後だとすると、月額はおおよそ23,900円前後になります(本記事の逆算による試算)。 問題は、この「月々2万円台」という提示のされ方にあります。 「月2万円なら払える」 そう思った瞬間に、判断の基準が総額149万円から月額2.4万円にすり替わっています。 これは、どのクリニックの広告でも起きていることです。 そして、この状態で「回数を増やせばもっと月額が下がりますよ」と提案されたら—— 多くの人はそれを良い提案だと受け取ります。 しかし、それは危険な答えです。
良い答え:月額ではなく「返し終わる年」で決める
回数を決めるときの正しい問いは、「月いくらなら払えるか」ではありません。 「何年で返し終わりたいか」です。 120回は10年です。 移植した毛はその後も残りますが、移植していない周囲の既存毛はAGAの進行で薄くなり続けます。 つまり、ローンを返している10年の間に、2回目の植毛を検討せざるを得なくなる可能性があるということです。 「回数を伸ばして月額を軽くする」という選択は、将来の選択肢を先に食いつぶす行為でもある。 回数はできるだけ短く設定し、月額の負担が重すぎるなら借入額そのものを減らすほうが正しい。
親和とアイランドで、月々の負担は倍変わる
ここまでは借入額を149万円で固定して話しました。 しかし実際には、借入額そのものがクリニックによってまったく違います。 そこで、条件をきれいにそろえます。 「後頭部を刈り上げずに、2,000株を移植する」 この同一条件で、各院の総額とローン条件を組み合わせ、月々いくら払うことになるのかを計算しました。
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| クリニック (刈らない2,000株) | 施術 総額 | 頭金 | 回数 | 月々の 支払額 |
|---|---|---|---|---|
| 親和クリニック NC-MIRAI法 | 473万円 | 20万円 | 60回 | 約85,490円 |
| アイランドタワー U-Direct | 352万円 | 0円 | 120回 | 約37,340円 |
| 東京植毛 植え放題(部分刈り) | 149万円 | 0円 | 84回 | 約21,060円 |
※施術総額は2026年7月時点の各院公式サイト掲載の税込価格から算出(基本治療費+株単価×2,000株)。月額は年率5%・元利均等返済として本記事が独自に試算した参考値です。実際の金利・審査結果は信販会社により異なります。親和クリニックは頭金20万円を差し引いた453万円を借入元本として計算しています。
この表ではっきりするのは、ローンの条件を比較しても意味がないという不都合な事実です。 回数が120回まで組めても、借りる額が352万円なら月々37,340円。 回数が84回しかなくても、借りる額が149万円なら月々21,060円で済みます。 月額を決めているのは、ローンの条件ではなく「いくら借りるか」。 そして「いくら借りるか」を決めているのは、料金体系の選択です。 刈らずに2,000株を植える場合、株単価制なら308万〜473万円、定額制なら149万円。 なぜここまで差がつくのかは、刈らない植毛(ノンシェーブン)の費用が1.4〜2.5倍になる理由と株単価制の落とし穴と植え放題(定額制)の仕組みで分解しています。
医療ローンの月額は、借入額が決まらなければ計算できません。
そして借入額を決めるのは、必要な株数と料金体系です。
定額制(植え放題)を採用している東京植毛クリニックでは、LINEで写真を送るだけで、必要な株数の目安と概算見積りを無料で確認できます。いきなり来院や手術の予約をする必要はありません。まず「自分はいくら借りることになるのか」を知るところから始めてください。
※自毛植毛は公的医療保険が適用されない自由診療です。費用・術式・リスク(ショックロス、腫れ・痛み、採取部の瘢痕、毛嚢炎、感覚鈍麻など)については、必ず医師から直接説明を受けてください。効果には個人差があります。医療ローンの金利・審査条件は信販会社および契約者の属性により異なります。料金は2026年7月時点の公式サイト掲載額です。
国民生活センターが注意喚起している「高額契約」
最後に、制度側の話をします。 国民生活センターは、薄毛治療をめぐる高額契約のトラブルについて注意喚起を行っています。 数百万円という金額と、医療ローンという長期契約が組み合わさるという点で、自毛植毛はこの注意喚起の中心に位置しています。 トラブルの形は、だいたい決まっています。
② 総支払額を見ないまま契約している——月額しか説明されず、金利分がいくら乗るのか知らずにサインした。
③ 中途解約時の扱いを確認していない——途中でやめる場合の返金や清算がどうなるのかを、契約前に確認しなかった。
④ 「今日だけの割引」を提示された——その場での判断を促されたが、条件を書面で持ち帰らなかった。
契約前に必ず紙で確認する4項目
以下の4つを口頭ではなく書面で確認するだけです。 1. 借入元本はいくらか(施術総額 − 頭金) 2. 適用される年率は何%か(審査後に確定する数字) 3. 総支払額はいくらか(元本+金利の合計) 4. 中途解約時はどうなるか(施術前/施術後で扱いが違う) このうち、3番を出せない相手との契約は避けるべきです。 総支払額は、契約書面に必ず記載される項目です。 「あとで書面が届きます」ではなく、契約する前に、その数字を見る。 そして、その場で決めないこと。 持ち帰って、1週間考える。 1週間で消えてしまう条件なら、最初から検討に値しません。 クリニック選び全体の判断軸は自毛植毛クリニックの選び方7つの基準で整理しています。
広告ではなく、こうした一次情報から判断の土台を作ってください。
金利を減らす方法は1つしかない
金利負担を減らすには、理屈のうえで3つの方法があります。 ① 金利を下げる② 回数を短くする③ 借入額を減らす ①は、自分では動かせません。信販会社の審査で決まる数字だからです。 ②は有効ですが、月額が跳ね上がるので限界があります。 149万円を24回で組めば金利負担は小さくなりますが、月々は6万円を超えます。 残るのは③、借入額そのものを減らすことだけです。 そして借入額を減らす方法として多くの人が最初に思いつくのが、モニター制度です。
モニター割引は「借入額を減らす」が、代償がある
モニター制度の割引率は、顔出しあり40〜50%OFF、顔出しなし10〜20%OFFが相場です。 149万円が50%OFFになれば74.5万円。 借入額は半分になり、84回・年率5%なら月額は約10,530円まで下がります。 しかし、40〜50%OFFという大幅な割引を得るには、顔を出す必要がある。 自分の術前・術後の写真が、クリニックの広告やSNSに残ることを受け入れるということです。 「バレたくないから刈り上げない術式を選ぶ」人がモニターに応募するのは、論理的に矛盾しています。 この矛盾を扱ったのが植毛モニターの割引率と、誰も言わない代償です。
本当の答え:料金体系ごと選び直す
借入額を減らす方法で、代償がなく、かつインパクトが最も大きいのは、料金体系そのものを選び直すことです。 刈らずに2,000株。 株単価制なら308万〜473万円。 定額制なら149万円。 差は160万〜320万円です。 年率5%・84回で借入額が324万円違えば、金利分だけで60万円以上の差になります。 しかも、失うものが何もありません。 ただし、正直に書いておきます。 定額制は、少ない株数では明確に割高です。 損益分岐点は、刈り上げる場合で約1,411株、刈り上げない場合で約1,296株。 500株程度なら、株単価制の院のほうが半額近く安く済みます。 薄毛レベル別・部位別の必要グラフト数早見表で、まず自分の目安を確認してください。 医療ローンの計算は、そのあとです。
自毛植毛は、急がなければ手遅れになる性質のものではありません。まずは投薬で進行を止めながら資金を作り、無理のない範囲で借りる——という順序のほうが、結果的に総支払額は小さくなります。10年ローンを組んで、返し終わる前に2回目の植毛が必要になる。これが、最も避けたい形です。
植毛の医療ローンに関するよくある質問
重要なのは、契約前に「自分に適用される年率」と「総支払額」を書面で確認することです。149万円・84回なら、年率3%と10%で総支払額が約42万円変わります。
回数は「月いくらなら払えるか」ではなく「何年で返し終わりたいか」で決めてください。
手元に現金がない場合、頭金必須という条件はそのまま「契約できない」ことを意味します。
注意すべきは、この提示によって判断の基準が「総額149万円」から「月額2.4万円」にすり替わることです。契約前には必ず総支払額(元本+金利)に戻して判断してください。
・金利を下げる→ 審査で決まるため自分では動かせない
・回数を伸ばす→ 月額は下がるが総支払額は増える
・借入額を減らす→ 月額と総額の両方が下がる
代償なしで最も効くのは、料金体系そのものを選び直すことです。刈らずに2,000株なら、株単価制で308万〜473万円、定額制で149万円。差は160万〜320万円になります。
まとめ:見るべき数字は月額ではなく総支払額
植毛の医療ローンは回数・頭金・金利という3つの変数で決まります。 そして、公式サイトが見せてくれるのはそのうち2つだけ。 金利は書かれていません。 149万円を84回で組んだとき、総支払額は年率3%なら165.4万円、年率10%なら207.8万円。 差は約42万円です。 回数を120回に伸ばせば月額は15,810円まで下がりますが、総支払額は約21万円増えます。 月額と総額は逆に動きます。 そして最も大きな事実。 月額を決めているのはローンの条件ではなく、「いくら借りるか」です。 ローンの回数を比べるより先に、借りる額そのものを下げられないかを検討してください。 契約前に確認する数字は、たった1つ。 総支払額です。
参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」(自毛植毛術=男性型脱毛症で推奨度B/人工毛植毛術=推奨度D)/厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」



