「バレたくない」という願いには、300万円の値札がついています。なぜ刈り上げないだけで株単価が跳ね上がるのか。施術の手順まで分解して、単価の根拠と、誰も書かないデメリットを開示します。
- 刈らない植毛(ノンシェーブン)は、同じクリニックでも株単価が1.3〜2.2倍になります。2,000株なら総額は190万〜473万円。「バレたくない」には300万円規模の値札がついています
- 単価が跳ねる理由は明確です。長い毛の間から短い毛を1本ずつ探して採取するため、1株あたりの採取時間が大幅に伸びるから。値付けの根拠は「手間」です
- ノンシェーブンには「部分刈り」と「完全ノンシェーブン」の2種類があり、費用も採取できる株数の上限も違います。ここを混同すると見積りが読めません
- 誰も書かないデメリットは「1回の手術で採取できる株数が下がりやすい」こと。時間当たりの採取効率が落ちるためです。大量植毛とノンシェーブンは、本来相性が悪い
3つ選ぶだけで、主要7院の総額と月々の支払額が出ます
「バレたくない」という願いの値札は、いくらか
自毛植毛を検討する人のほぼ全員が、同じ場所でつまずきます。 「後頭部を刈り上げたら、職場でバレる」 営業職、経営者、接客業、教員、人前に立つ仕事。 数日〜数週間、後頭部だけが短く刈られている状態は、説明のしようがありません。 だから多くの人が「刈らない植毛(ノンシェーブン)」を探しはじめます。 きわめて自然な流れです。 そしてこの選択の値札を知らないままカウンセリングに行く。 これが、植毛の見積りで最も多い事故です。
結論から書きます。 刈らないことを選ぶと、株単価は1.3〜2.2倍になります。 2,000株の総額で言えば—— 刈り上げる場合110万〜275万円 刈り上げない場合190万〜473万円 同じ2,000株、同じ本数の毛を植えるのに、200万円以上の差がつきます。 この差は値引き交渉では埋まりません。 なぜなら、この価格差には明確な根拠があるからです。 その根拠を、施術の手順から分解していきます。
費用の全体像(基本治療費・株単価・隠れコストの3階建て構造)は、自毛植毛の費用相場と主要9院の総額比較で整理しています。
ノンシェーブンとは何か|刈らないのは「採取部」である
まず、言葉の整理から始めます。 ここを誤解している人が非常に多いためです。 自毛植毛(FUE法)では、後頭部・側頭部から毛包を1株ずつ採取し、薄くなった部分に移植します。 このとき、通常は採取する範囲の髪を数ミリに刈り上げます。 刈り上げるのは毛を採るためではなく、毛穴と毛の生える角度を目で確認するためです。 つまり刈り上げは「効率のための工程」なのです。 ノンシェーブン法とは、この工程をあえて省く術式です。 省いた分だけ、医師の手間が増える。 その手間が、そのまま単価に反映されています。
つまり「刈り上げが問題になる」のは後頭部だけ。前から見た印象は、通常の術式でもほとんど変わりません。問題は「後ろから見られたとき」と「風で髪が動いたとき」だけです。
どの瞬間にバレるのかは、植毛がバレる3つの瞬間と職場での切り抜け方で具体的に整理しました。ここを読んでから費用を検討したほうが、判断を誤りません。
なぜ単価が1.4〜2.5倍になるのか|手順で分解する
「刈らないと高い」と書いてあるサイトはたくさんあります。 しかしなぜ高いのかを手順レベルで説明したものは、ほとんど見当たりません。 分解します。
単価に乗っているのは「時間」である
図1の右側の工程を、2,000回繰り返す。 これがノンシェーブンの実態です。 仮に1株あたり数秒の差が出るだけでも、2,000株なら手術時間として数時間の差になります。 そして医療において、時間は最も高いコストです。 医師と技術スタッフが拘束される時間が伸びれば、1日にこなせる手術数は減ります。 つまりノンシェーブンの単価は、技術料であると同時に「時間の買い取り価格」なのです。 ここを理解すると、値引き交渉でこの差額が縮まらない理由も分かります。 原価が違うからです。
採取の難易度も上がる
もう一つ、見落とされがちな点。 毛は皮膚に対して斜めに生えています。 刈り上げてあれば、毛の根元の向きから毛包の角度が読めます。 刈らない場合、長い毛は重みや癖で本来の角度とは違う方向を向きます。 つまり見えている毛の向きと、皮膚の下の毛包の向きが一致しません。 ここを読み違えると、パンチが毛包を傷つけ、採取した株が使えなくなります。 この「切断率」を下げるために、医師は慎重に、ゆっくり採取します。 慎重さ=時間=単価。 すべてがつながっています。
東京植毛クリニックでは、LINEで写真を送るだけで、必要な株数の目安と概算見積りを無料で確認できます。いきなり来院や手術を予約する必要はありません。その場で契約する必要もありません。まず数字を持ち帰ってください。
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※自毛植毛は公的医療保険が適用されない自由診療です。費用・術式・リスク(ショックロス、腫れ・痛み、採取部の瘢痕、毛嚢炎、感覚鈍麻など)については、必ず医師から直接説明を受けてください。効果には個人差があります。料金は2026年7月時点の公式サイト掲載額です。契約はその場で決めず、見積書を持ち帰って比較することをおすすめします。
二分法|「部分刈り」と「完全ノンシェーブン」は別物
ここが、この記事で最も実用的な部分です。 「刈らない植毛」は1種類ではありません。 大きく2つに分かれ、費用も、採取できる株数も、バレにくさも違います。 しかし多くのサイトがこの2つをまとめて「ノンシェーブン」と呼んでいるため、見積りが読めなくなります。
どちらを選ぶかは「髪型」で決まる
判断基準はシンプルです。 普段、後頭部の髪がある程度の長さがある人(耳が半分隠れる程度以上) この人は部分刈りで十分です。 刈った帯を、上の髪がそのまま覆います。 翌日から、外見上の変化はほとんど分かりません。 一方—— 普段から短髪・刈り上げスタイルの人 この人は上から覆う髪がありません。 つまり部分刈りでは刈り跡が見えます。 この場合だけ、完全ノンシェーブンを検討する意味があります。 そして完全ノンシェーブンは、単価も、施術時間も、採取上限の制約も、すべてが最も厳しくなります。 つまり、「短髪でバレたくない人」が最もコストを払うという構造になっています。
「その術式は、後頭部を帯状に刈りますか。それとも1本も刈りませんか」
「刈らない植毛」という同じ言葉で、まったく違う術式が提案されていることがあります。この確認をしないと、見積りの単価が正しいのかどうか判断できません。カウンセリングで確認すべき項目は、カウンセリングで必ず聞くべき12の質問にまとめました。
全院比較|刈らない場合の株単価と2,000株総額
数字を出します。 各院の公式サイトに掲載されている刈る場合と刈らない場合の株単価を並べ、その倍率を計算しました。
これを2,000株の総額に換算します。 基本治療費を足した、実際に支払う金額です。
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| クリニック(刈らない術式) | 基本 治療費 | 株単価 | 2,000株 総額 |
|---|---|---|---|
| 親和クリニック NC-MIRAI法 | 33万円 | 2,200円 | 473万円 |
| アイランドタワー U-Direct | 22万円 | 1,650円 | 352万円 |
| アスク井上 アンシェーブン | 22万円 | 1,430円 | 308万円 |
| 湘南美容 ノンシェーブン | 0円 | 950円 | 190万円 |
| カミノ ノンシェーブン | 22万円 | 880円 | 198万円 |
| 東京植毛 部分刈り(植え放題) | 定額(施術費127万円) | 149万円 | |
※2026年7月時点、各院公式サイト掲載の税込価格から算出(基本治療費+株単価×株数)。モニター割引・キャンペーンは含みません。東京植毛クリニックの植え放題は上限が約2,554株(公式は「上限数は随時更新」と記載)です。最新の料金は必ず各院の公式サイトでご確認ください。
刈り上げない場合、2,000株の総額は190万〜473万円。
上限どうしで比べれば、その差は約200万円。単価の高い術式を選べば、総額は473万円に達します。
これが「後頭部を刈りたくない」という願いに、業界がつけている値札です。この値札を知らずにカウンセリングへ行くと、見積書を見た瞬間に検討が止まります。なぜ見積りが跳ね上がるのかという構造は、株単価制の落とし穴と「植え放題」の正体で詳しく分解しました。
誰も書かないデメリット|1回の採取上限が下がる
ここからが、この記事で最も書きたかった部分です。 ノンシェーブンのデメリットとして、どのサイトも「費用が高い」としか書いていません。 しかしもっと重大な代償があります。 1回の手術で採取できる株数が下がりやすいという点です。 理由は、セクション3のメカニズムから必然的に導かれます。
「刈らない × 大量植毛」は本来、相性が悪い
ノンシェーブンを選びたくなる人ほど、実は大量の株数が必要な人だったりします。 なぜなら、「バレたくない」と強く思うのは、それだけ薄毛が目立ってきているからです。 そして薄毛が進むほど、必要株数は増えます。 ところが—— ノンシェーブンは、1回で採れる株数が下がりやすい。 つまり「刈らない」と「大量に植える」は、技術的には相性が悪い組み合わせなのです。 大量に植えたいなら、手術を複数回に分ける必要が出てきます。 そして手術が2回になれば、基本治療費も2回かかる可能性があります。 さらに—— 後頭部のドナーには生涯の採取上限があります。 一般にFUE法で2,000〜3,000株、FUT法で5,000〜6,000株が目安とされます。 後頭部のドナーの生涯採取上限とセーフゾーンは、費用の話でもあり、術式選択の話でもあります。
② 施術時間が長くなる。長時間の手術は、身体的な負担も増えます
③ 1回の手術で採取できる株数が下がりやすい。大量植毛には向きません
これらを隠してノンシェーブンを勧めるのは、不誠実だと考えます。刈り上げても支障がない人は、通常のFUE法を選んだほうが、費用でも採取効率でも合理的です。ダウンタイムの実際は植毛のダウンタイムと職種別に必要な休暇日数で確認してください。刈らない方法を選ばずに済むなら、それが一番安く済みます。
カバーシート66,000〜110,000円という矛盾
ここで、業界の不思議な商品を1つ紹介します。 カバーシートというオプションです。 親和クリニックの場合、66,000〜110,000円で提供されています。 これは刈り上げた跡を隠すための部分ウィッグです。 つまり——刈り上げた。——刈り上げ跡が見える。——だから、それを隠すウィッグを別料金で買う。 という流れです。 ここに矛盾を感じないでしょうか。
誤解のないように書きますが、カバーシート自体は不誠実な商品ではありません。 刈り上げてしまった以上、それを隠したい人がいる。 問題は、この費用が見積りの段階で提示されないことがある点です。 「基本治療費 + 株単価」で予算を組んだ人が、術前に「刈り上げ跡が気になるならカバーシートもあります」と案内される。 11万円の追加です。 だったら、最初からその11万円を含めた総額で、刈らない術式と比べておくべきでした。 隠れコストの全体像は、自毛植毛の費用相場と隠れコストの一覧にまとめています。
定額制なら、この代償のうち「単価」だけは消える
ここまでで、ノンシェーブンの代償を3つ書きました。 ① 単価が1.3〜2.2倍② 施術時間が長い③ 1回の採取株数が下がりやすい このうち、②と③は技術的な制約なので、どの料金体系を選んでも消えません。 しかし①の単価だけは、料金体系を変えることで消せます。 それが「植え放題(定額制)」です。
定額制の中身と、損益分岐点
定額制を採用している東京植毛クリニックの公式料金は次のとおりです。 基本治療費 22万円植え放題(施術費)127万円総額 149万円上限 約2,554株 同院の株単価は刈り上げる場合900円、刈り上げない場合980円。 つまり—— 定額の127万円を株単価980円で割ると 約1,296株 これが刈らない場合の損益分岐点です。 1,296株を下回るなら、株単価制の他院のほうが安く済みます。 たとえば刈らない600株なら、湘南美容クリニックで57万円。 定額制の149万円を選ぶ理由はありません。 これは正直に書いておかなければならない部分です。 逆に、1,300株を超えたあたりから、定額制の差は急速に開きます。
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| 刈らない 株数 | 親和 NC-MIRAI | アイランド U-Direct | 東京植毛 植え放題 |
|---|---|---|---|
| 600株 | 165万円 | 121万円 | 149万円 |
| 1,300株 | 319万円 | 236万円 | 149万円 |
| 2,000株 | 473万円 | 352万円 | 149万円 |
| 2,500株 | 583万円 | 435万円 | 149万円 |
※2026年7月時点、各院公式サイト掲載の税込価格から算出。600株の行では東京植毛クリニックの定額制が割高になります。東京植毛クリニックは部分刈り方式、植え放題の上限は約2,554株です。実際の適応・株数は医師の診断により決まります。
定額制が意味を持つのは、「刈り上げたくない × 1,000株以上」という限定された条件のときだけです。この条件から外れる人にとって、この記事の後半は読む必要がありません。株単価制の院を検討してください。
親和 NC-MIRAI法:473万円
アイランド U-Direct:352万円
アスク アンシェーブン:308万円
東京植毛 部分刈り(植え放題):149万円
差額は160万〜320万円。しかも定額制では、医師の診断で株数が2,500株に増えても、総額は動きません。単価という「上振れの傾き」がゼロになるためです。
ただし保証は施術費の20%の有料オプションで無料ではありません。実額の分解は東京植毛クリニックの料金と植え放題149万円の検証で行っています。
刈らない植毛の費用は、必要株数が決まらなければ1円も計算できません。
1,296株の分岐点より少ないのか多いのかで、選ぶべき料金体系が正反対になるからです。
定額制(部分刈りの植え放題)を採用している東京植毛クリニックでは、LINEで写真を送るだけで、必要な株数の目安と写真見積りを無料で確認できます。いきなり来院や手術を予約する必要はありません。
※自毛植毛は公的医療保険が適用されない自由診療です。費用・術式・リスク(ショックロス、腫れ・痛み、採取部の瘢痕、毛嚢炎、感覚鈍麻など)については、必ず医師から直接説明を受けてください。効果には個人差があります。料金は2026年7月時点の公式サイト掲載額です。
刈らない植毛(ノンシェーブン)のよくある質問
移植部には術後1〜2週間、赤み・腫れ・かさぶたが出ます。これは刈る・刈らないに関係なく生じるダウンタイムです。また、術後2週間〜3ヶ月にかけてショックロス(既存毛の10〜15%が一時的に抜ける現象)が起きることがあり、術後3ヶ月ごろが見た目の底になります。
「刈らない=翌日から何も変わらない」ではありません。植毛がバレる3つの瞬間で、時期ごとに整理しています。
一方、普段から短髪・刈り上げスタイルの人は、覆う髪がないため部分刈りでは跡が見えます。この場合だけ、完全ノンシェーブンを検討する意味があります。
カウンセリングでは「帯状に刈りますか、1本も刈りませんか」と必ず確認してください。
刈らない場合は、長い毛をかき分け、採取する1株を目で探し、その1株だけを短くカットし、毛包の角度を推定してから採取します。これを株数ぶん繰り返すため、手術時間が大きく伸びます。
単価に乗っているのは技術料であると同時に、医師と技術スタッフの拘束時間の対価です。だから値引き交渉では縮まりません。
大量の株数が必要な場合、手術を複数回に分ける必要が出ることがあります。「刈らない」と「大量に植える」は、技術的には相性の良くない組み合わせです。具体的な上限株数は術式・院・医師によって異なるため、カウンセリングで直接確認してください。
6.6万〜11万円を「隠すための商品」に払うのであれば、その金額を含めた総額で、最初から刈らない術式と比較するほうが合理的です。少なくとも、比較せずに決めるべきではありません。
刈る・刈らないという術式の違いは、この推奨度に影響しません。どちらも自毛植毛(FUE法)の採取方法の違いです。
出典:日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
まとめ:値札を知ってから、願いの値段を決める
「後頭部を刈りたくない」 この願いはまったく自然です。 仕事があり、毎日会う人がいて、説明したくない事情がある。 だからこそ、その願いにいくらの値札がついているかを、先に知っておくべきです。 刈らない植毛の単価は、同じクリニックでも1.3〜2.2倍。 2,000株なら総額190万〜473万円。 そして代償は費用だけではありません。 施術時間が長くなり、1回で採れる株数も下がりやすくなる。 これを隠して「刈らない植毛は快適です」と書くのは、不誠実だと考えます。 刈り上げても支障がないなら、通常のFUE法のほうが費用でも効率でも合理的です。 しかし、どうしても刈れない。 そして株数は1,000株を超える。 この条件に当てはまる人にとってだけ、料金体系の選択が、200万〜300万円の差を生みます。 自分がどちら側にいるのか。 それを決めるのは、必要株数というたった1つの数字です。
参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」(自毛植毛術=男性型脱毛症で推奨度B/人工毛植毛術=推奨度D)、厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」



